親が亡くなった後は、何から手続きを始めればよい?
親が亡くなった後は、葬儀や役所の手続き、年金、健康保険、銀行口座、不動産、相続税など、短期間で多くの手続きが発生します。
ただでさえ精神的に落ち着かない時期に、何から始めればよいかわからず、不安になる方も少なくありません。
親が亡くなった後の手続きで大切なのは、すぐに必要な手続きと、相続に関する手続きを分けて考えることです。
死亡届や火葬許可申請などは早急に行う必要があります。一方で、銀行口座の解約、不動産の名義変更、遺産分割協議などは、相続人や財産を確認してから進める必要があります。
この記事では、親が亡くなった後に必要な手続きを、時期ごとの流れに沿ってわかりやすく解説します。
親が亡くなった後に必要な手続き一覧
まずは、親が亡くなった後に必要になる主な手続きを確認しましょう。
| 時期の目安 | 主な手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 死亡後すぐ | 死亡診断書の受け取り | 医師から死亡診断書または死体検案書を受け取ります。 |
| 7日以内 | 死亡届・火葬許可申請 | 市区町村役場へ死亡届を提出し、火葬許可証を取得します。 |
| 葬儀前後 | 葬儀・埋火葬・関係者への連絡 | 親族、勤務先、金融機関、保険会社などへ必要に応じて連絡します。 |
| 早めに | 年金・健康保険・介護保険の手続き | 資格喪失、保険証返却、未支給年金の請求などを確認します。 |
| 早めに | 遺言書の確認 | 自宅、公証役場、法務局保管制度などを確認します。 |
| 1〜3か月以内 | 相続人調査・財産調査 | 戸籍を集め、相続人と財産・借金を確認します。 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 借金が多い場合などは、家庭裁判所での手続きを検討します。 |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 親に確定申告が必要な所得があった場合に行います。 |
| 10か月以内 | 相続税申告・納税 | 相続税がかかる場合は、申告と納税が必要です。 |
| 必要に応じて | 遺産分割協議・名義変更 | 預貯金、不動産、株式、自動車などの相続手続きを進めます。 |
すべての手続きが全員に必要になるわけではありません。親の財産内容、家族構成、遺言書の有無、借金の有無によって、必要な手続きは変わります。
死亡直後に行う手続き
親が亡くなった直後に行う手続きは、主に死亡届と火葬許可申請です。
病院で亡くなった場合は、医師から死亡診断書を受け取ります。事故や突然死などの場合は、死体検案書が発行されることがあります。
死亡届は、死亡診断書または死体検案書と一体になっていることが一般的です。必要事項を記入し、市区町村役場へ提出します。
死亡届を提出すると、火葬許可証が発行されます。火葬や埋葬を行うために必要な書類です。
葬儀会社に依頼している場合、死亡届や火葬許可申請の手続きを代行・サポートしてくれることもあります。ただし、最終的にどの手続きが済んでいるかは家族側でも確認しておきましょう。
葬儀前後に確認しておきたいこと
葬儀前後は慌ただしい時期ですが、後の相続手続きに備えて、いくつか確認しておくとよいことがあります。
- 親の通帳・キャッシュカード・印鑑の保管場所
- 保険証券や年金関係の書類
- 不動産の権利証・登記識別情報
- 固定資産税の納税通知書
- 借入金やローンの明細
- 遺言書の有無
- 公共料金や携帯電話などの契約状況
ただし、相続放棄を検討する可能性がある場合は、親の財産を勝手に処分したり、預金を引き出して使ったりすることには注意が必要です。
借金があるかもしれない場合や、財産内容がはっきりしない場合は、先に専門家へ相談した方が安全です。
年金・健康保険・介護保険の手続き
親が年金を受け取っていた場合、年金関係の手続きが必要になることがあります。
亡くなった月分までの年金で、まだ受け取っていないものがある場合は、一定の遺族が未支給年金を請求できることがあります。
また、亡くなった方が国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険などに加入していた場合、保険証の返却や資格喪失の手続きが必要です。
自治体によって案内や必要書類が異なることもあるため、親の住所地の市区町村役場で確認しましょう。
公共料金・携帯電話・各種契約の確認
親名義の契約がある場合、名義変更や解約の手続きも必要です。
たとえば、次のような契約を確認しましょう。
- 電気・ガス・水道
- 固定電話・携帯電話
- インターネット回線
- NHK
- クレジットカード
- 新聞・定期購読
- 賃貸住宅
- サブスクリプションサービス
親名義の銀行口座が凍結されると、口座引き落としができなくなることがあります。生活に必要な契約については、早めに名義変更や支払い方法の変更を検討しましょう。
遺言書があるか確認する
相続手続きを始める前に、必ず遺言書の有無を確認しましょう。
遺言書がある場合、遺産の分け方や手続きの進め方が変わる可能性があります。
遺言書は、自宅の金庫、机、仏壇、貸金庫などに保管されていることがあります。また、公正証書遺言であれば公証役場で検索できる場合があります。法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している可能性もあります。
自筆証書遺言が見つかった場合、勝手に開封してはいけないケースがあります。家庭裁判所での検認が必要になる場合があるため、見つけた段階で確認することが大切です。
相続人を確認する
親が亡くなった後の相続手続きでは、誰が相続人になるのかを確認する必要があります。
親の配偶者、子ども、前婚の子ども、養子、認知した子どもなど、家族関係によって相続人の範囲は変わります。
相続人を確認するには、亡くなった親の出生から死亡までの戸籍を集めるのが基本です。
相続人を正確に確認しないまま遺産分割協議を進めると、後から別の相続人が判明し、手続きをやり直さなければならない可能性があります。
特に、親が再婚している場合、離婚歴がある場合、兄弟姉妹との関係が複雑な場合は、早めに戸籍を確認することをおすすめします。
親の財産と借金を調べる
相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金や未払い金などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。
そのため、親が亡くなった後は、財産と借金の両方を確認することが重要です。
確認すべき主な財産は、次のとおりです。
- 預貯金
- 不動産
- 株式・投資信託
- 生命保険
- 自動車
- 現金・貴金属
- 貸付金
一方で、次のような負債も確認しましょう。
- 住宅ローン
- カードローン
- 消費者金融からの借入
- 事業用借入
- 未払いの税金
- 未払いの医療費・介護費
- 保証債務
借金が多い可能性がある場合は、相続放棄を検討する必要があります。3か月の期限があるため、財産調査は早めに始めましょう。
相続放棄を検討する場合の注意点
親に借金がある場合や、財産より負債の方が多い可能性がある場合は、相続放棄を検討します。
相続放棄をすると、原則として親の財産も借金も引き継がないことになります。
ただし、相続放棄は家庭裁判所で手続きが必要です。家族同士で「私は相続しない」と話し合っただけでは、法律上の相続放棄にはなりません。
また、相続放棄を検討している場合、親の預金を使ったり、不動産や車を処分したりすると、相続を承認したと判断される可能性があります。
借金があるかもしれない場合は、財産を動かす前に専門家へ相談しましょう。
銀行口座の相続手続き
金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、親名義の銀行口座は凍結されることがあります。
口座が凍結されると、預金の引き出しや振込、口座振替などができなくなります。
預貯金の相続手続きを行うには、一般的に次のような書類が必要になります。
- 亡くなった親の戸籍一式
- 相続人の戸籍
- 相続人の印鑑証明書
- 遺産分割協議書
- 金融機関所定の書類
- 通帳・キャッシュカード
必要書類は金融機関や相続の内容によって異なります。複数の銀行口座がある場合は、手続きに時間がかかることもあります。
不動産がある場合の手続き
親名義の土地や建物がある場合、不動産の相続手続きも必要です。
不動産を相続する場合、誰がその不動産を取得するのかを決めたうえで、相続登記を行います。
相続登記は、2024年(令和6年)4月1日から義務化されています。不動産を相続した場合は、放置せずに早めに手続きを進めましょう。
特に、青梅市周辺に実家や空き家がある場合は、名義変更だけでなく、管理、売却、解体、賃貸活用なども検討が必要になることがあります。
不動産登記は司法書士の業務です。行政書士が対応できる書類作成と、司法書士に依頼すべき登記手続きは分けて考える必要があります。
遺産分割協議を行う
遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。これを遺産分割協議といいます。
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。一人でも欠けていると、有効な協議にならない可能性があります。
協議がまとまったら、必要に応じて遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書は、預貯金の解約、不動産の相続登記、自動車の名義変更などで必要になることがあります。
相続人同士で意見が合わない場合や、紛争性がある場合は、行政書士では対応できないことがあります。その場合は、弁護士への相談が必要です。
相続税がかかるか確認する
親の財産額によっては、相続税の申告と納税が必要になることがあります。
相続税は、すべての相続でかかるわけではありません。ただし、預貯金、不動産、有価証券、生命保険などを合計した財産額が一定額を超える場合は、相続税申告を検討する必要があります。
特に、不動産を所有している場合は、現金が少なくても相続税の確認が必要になることがあります。
相続税の判断や申告は税理士の業務です。相続税がかかるか不安な場合は、早めに税理士へ相談しましょう。
親が亡くなった後にやってはいけないこと
親が亡くなった後、焦って手続きを進めると、かえって問題が大きくなることがあります。
特に、次のような行動には注意が必要です。
- 借金の有無を確認せずに財産を処分する
- 相続人全員の同意なく預金を分ける
- 遺言書を勝手に開封する
- 他の相続人に知らせずに手続きを進める
- 期限のある手続きを後回しにする
- 不動産の名義変更を長期間放置する
相続は、最初の進め方を間違えると、後から修正するのが難しくなることがあります。迷った場合は、自己判断で進めず、早めに相談することが大切です。
青梅市周辺で親が亡くなった後の手続きにお困りの方へ
青梅市周辺で親が亡くなった後の手続きを進める場合、まずは死亡届や年金・健康保険などの手続きを確認し、その後に相続人調査、財産調査、遺産分割協議、預貯金や不動産の手続きへ進む流れになります。
ただし、実際に必要な手続きは、親の財産内容、家族構成、遺言書の有無、借金の有無、不動産の有無によって大きく変わります。
青梅相続相談センターでは、青梅市および周辺地域の方を対象に、親が亡くなった後の相続手続き、戸籍収集、相続人調査、遺産分割協議書の作成などについてご相談をお受けしています。
相続登記、相続税申告、紛争性のある相続など、司法書士・税理士・弁護士の対応が必要な場合は、必要に応じて各専門家への相談が必要です。まずは現在の状況を整理し、どこから進めるべきかを確認しましょう。
【まとめ】親が亡くなった後は、期限と順番を意識して進めましょう
親が亡くなった後は、やるべき手続きが多く、何から始めればよいかわからなくなることがあります。
まずは、死亡届、火葬許可申請、年金・健康保険など、早めに必要な手続きを確認しましょう。
そのうえで、遺言書の有無、相続人、財産と借金、相続放棄の必要性、相続税の有無を順番に確認していくことが大切です。
特に注意したい期限は、次のとおりです。
- 死亡届:死亡の事実を知った日から7日以内
- 相続放棄:相続開始を知った時から3か月以内
- 準確定申告:必要な場合は4か月以内
- 相続税申告:必要な場合は10か月以内
親が亡くなった後の手続きは、焦って進めるよりも、必要な順番を整理して進めることが重要です。
青梅市周辺で親が亡くなった後の相続手続きに不安がある方は、青梅相続相談センターへお気軽にご相談ください。
親が亡くなった後の手続きでお困りの方へ
親が亡くなった後は、死亡届、年金、健康保険、銀行口座、不動産、相続税など、多くの手続きが必要になります。
青梅相続相談センターでは、青梅市および周辺地域の方を対象に、相続手続きの進め方や必要書類の確認についてご相談をお受けしています。
何から始めればよいかわからない方、期限が不安な方は、早めにご相談ください。
